- 改正食糧法 〔かいせいしょくりょうほう〕
- 1994年に制定された「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(通称:食糧法)」が、2004年に大幅に改正され、改正前と区別するために改正後の食糧法を、「改正食糧法」または「新食糧法」と呼んでいます。
主な改正点は次の通りです。
- 計画流通制度が事実上廃止され、農家や登録業者が自由にお米を販売することが認められた。
- 販売業者の許可制から届け出制になり、年間20t以上の取り扱いを条件に、お米の販売に参入できるようになった。
- 自主流通米価格形成センターが廃止され、新たに米穀価格センターが開設され、産地・銘柄・取扱量などによって、価格が決められる仕組みになった。
- それまで政府が義務的に割り当ててきた生産調整(減反)を、生産地の実状に合わせて計画できるようになった。
- 香り米 〔かおりまい〕
- 炊飯すると、独特のポップコーンのような香ばしい香りのするお米です。
アミロース含量が多いため、少しパサパサした食感です。
代表的な品種は、「はぎのかおり」「キタカオリ」「サリークィーン」などです。
- 休閑地 〔きゅうかんち〕
- 現時点で作物の栽培がおこなわれていないが、数年のうちに再びおこなわれる予定のある農地のことです。
農林水産省が行う面積調査では、「耕作放棄地」の基準未満のものを休閑地としています
- 休耕田 〔きゅうこうでん〕
- 災害や労力不足などのために、過去1年間稲作がおこなわれていないが、数年の間には再び耕作する意思のある水田のこと。
実際には主に政府の農業政策(減反政策)によって、お米を栽培しなかった水田のことを指します。その場合、野菜や果物などを栽培して畑として利用していても休耕田と呼ばれます。
- 黒米 〔くろまい・くろごめ〕
- 玄米の糠層〔ぬかそう〕部分に黒紫色系のアントシアニンを含んでいるお米です。「紫米」「紫黒米」とも呼ばれています。
黒米の多くは糯〔もち〕米のため粘り気が強く、白米に加えて炊飯すると、紫色でしっとりとしたおこわのようなご飯になります。
栄養分は白米と比べ、たんぱく質・ビタミンB1・B2・ナイアシン・ビタミンE・鉄・カルシウム・マグネシウムなどが豊富に含まれています。
代表的な品種は、「朝紫」「おくのむらさき」などです。
- 玄米 〔げんまい〕
- 収穫された稲の種子部分から籾殻〔もみがら〕を取り去っただけの、精米していない状態のお米のことです。
お米の貯蔵は、主にこの玄米の状態で行われています。玄米から糠を取り除くことを精米(精白・搗精)といい、精米されたお米を白米といいます。一般に店頭に並んで販売されているお米はこの白米の状態のものです。
玄米は白米よりもビタミン・ミネラル・繊維質を多く含むため、最近では玄米のまま炊飯して健康食として利用することも多くなっています。白米に比べて水分を吸収しにくいため、玄米をおいしく食べるには、圧力釜で炊く、浸漬時間を長くするなど、炊飯方法に工夫が必要です。
- 高温障害 〔こうおんしょうがい〕
- 稲の栽培期間中に高温の日が続くことによって、稲の発育が阻害されたり、お米の品質が低下したりすること。
具体的には、稲穂がしおれたり枯れたりする、受粉が阻害されてお米が稔らない、白未熟米や胴割れ米が増加するなどの被害が起こります。
対策としては、田植え時期の調整、水管理の調整、耐高温性の品種の育成などが進められています。
- 耕作放棄地 〔こうさくほうきち〕
- 作物の栽培がおこなわれていないまま放置されている農地ことです。
農林水産省が行う面積調査では、既に2年以上耕作を行っておらず、将来も耕作される見込みのない土地を耕作放棄地としています。
現在耕作放棄地の増大は大きな社会問題となっています。食料自給率の向上や環境保全のためには、耕作放棄地の解消が重要な課題です。
●農林水産省|耕作放棄地対策の推進
- コシヒカリ 〔こしひかり〕
- 1956年福井農業試験場で開発された品種です。
開発されたのは福井県ですが、新潟県に奨励品種として採用されたことが普及のきっかけになりました。また、新潟県はコシヒカリ栽培の成功によって、全国一のコメどころとして知られるようになりました。
現在北海道を除く地域で広く作られており、国内では1979年以来、作付け面積1位を続けています。
粘りの強い食感と、濃厚なうまみを持つことが人気の高い理由ですが、稲の高さが高く倒れやすいことと、いもち病に弱いという欠点があり、これらを克服する品種が各地で開発されています。
- コシヒカリBL 〔こしひかりびーえる〕
- 福井県で開発されたお米の新品種です。2000年に最初のBL1号が品種登録されており、交配に使用する品種の違いにより、12号まで開発されています。
新潟県では2005年より、従来のコシヒカリから、作付けが全面的に切り替えられました。
コシヒカリの食味をそのままに、いもち病への抵抗性を持たせるため、いもち病に強い品種をコシヒカリに交配し、その子孫にコシヒカリを繰り返し交配する「連続戻し交配法」によって開発されました。
商品としての銘柄は「新潟県産コシヒカリ」となっています。
- 米騒動 〔こめそうどう〕
- 1918年(大正7)、米価の急騰に対して起きた、民衆の暴動事件のことを指します。
富山県魚津の漁村の主婦たちが集団行動によって、お米の移送を中止し、住民に販売するように嘆願したことが、その始まりとされています。
背景には、お米が国内で急速に需要を増やしていく中で、投機の対象として取引されるようになり、業者による買占めなどにより、米価が急激に上昇したという事情がありました。
その後この行動は全国に広がり、米問屋の焼き打ちなどに発展したため、政府は軍隊を出動してこれを制圧しましたが、時の寺内内閣は総辞職に追い込まれました。またこの事件を機に、政府によってお米の流通が統制されるようになりました。
この大正の米騒動に対し、1993年の冷害による米不足に対して起きた一連の混乱を、平成の米騒動と呼んでいます。
- 米の食味ランキング 〔こめのしょくみらんきんぐ〕
- (財)日本穀物検定協会が、昭和46年産米から行っている、お米のおいしさのランク付けです。
例えば同じコシヒカリでも産地によって、また年度によっておいしさは変化します。そこで、毎年お米の産地と品種ごとに同協会が食味エキスパートによる食味試験を行い、ランク付けを行って発表しているのです。 基準になるお米を決め、これと比較しておおむね同等のものを「A’」、基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」としてランク認証します。
食味評価は「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の六項目について基準米に対して比較評価する、
相対法により行います。 基準に対する良否の度合いに応じ「かなり」「すこし」「わずかに」「基準と同じ」のランクで評価を行ない、それぞれを±3、 ±2、 ±1、0の数値に置き換えることで評価値を求めています。
平成20年産米では127産地品種を対象に試験が行われ、「特A」に格付けされたのは20年連続の「新潟魚沼コシヒカリ」、続いて15年連続の「山形内陸はえぬき」など21産地品種。以下「A」44、「A’」62という結果になりました。
●日本穀物検定協会|米の食味ランキング